「神は死んだ」哲学者ニーチェ 50の名言[英語と和訳]

フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche)の英語&和訳のおすすめ名言と人物像

ニーチェの言葉-お気に入りBEST5

(1)What does not destroy me, makes me stronger.(私を滅ぼすに至らないすべてのことが、私を強くするのだ。)
(2)Convictions are more dangerous enemies of truth than lies.(真実にとって、信念は嘘よりも危険な敵である。)
(3)He who fights with monsters might take care lest he thereby become a monster. And if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you.(怪物と闘うときは、自らも怪物にならぬよう、気をつけなさい。深淵を覗きこむときは、深淵からもあなたは覗かれている。)
(4)The search for truth begins with the doubt of all ‘truths’ in which one has previously believed.(真実の追求は、以前に信じられていたすべての真実を疑うことから始まる。)
(5)There are no facts, only interpretations.(事実というものは存在せず、あるのは解釈だけである。)

ニーチェの功績・生涯・エピソード

【ニーチェの哲学とコンセプトが生まれた時代背景】
19世紀ドイツの哲学者であるニーチェは、今日では実存主義の代表的な思想家のひとりとして広く知られる。ダーウィンが「種の起源」で宗教界に衝撃を与えたのは1859年。それからわずか数十年の間に、思想界は神学による真理追求から完全に脱し、実証主義・近代科学の影響を強く受けるようになった。そして早くも19世紀後半には、「神は死んだ」と唱え、キリスト教的道徳を真っ向から批判したニーチェが登場した。
ニーチェは著書「道徳の系譜」などで、キリスト教的道徳は「ルサンチマン」の産物にすぎないと断じた。ルサンチマンとは、強者や克服できない対象への歪んだ妬みや憎悪のことだ。たとえば木になったリンゴを取ろうとして届かなかったとき、人は背の低さや跳躍力のなさを嘆くのではなく、心の中で「あれはまずいリンゴだ」と考えて、その価値を否定しようとすることができる。これがルサンチマンであり、ニーチェは「貧しい者は幸いだ。天国に行けるのだから」と説くキリスト教的道徳を、まさにルサンチマン的な価値転倒により創造されたものとして斬り捨てた。
そんなニーチェは、初めから無神論者的な素養があったように思われがちだが、実は牧師の父と牧師の娘である母の間に生まれた、敬虔なプロテスタントであった。少年時代のニーチェは、聖者の文言を暗唱でき、数多くの聖歌を感情豊かに歌ったため「小さな牧師」とあだ名されたほど。

【謎の声に悩まされ精神錯乱に陥った晩年】
体は弱かったものの、学業優秀だったニーチェは、25歳という若さでスイスのバーゼル大学に教授として招聘される。
このころ、ニーチェは「自分の背後から発せられる声に悩まされている」といった内容のメモを残している。こうした声は幼少期から聞こえていたようで、30歳頃の手記には「1850年に、弟ヨーゼフが夭逝する前日、夢の中で死んだはずの父の声が聞こえ、弟の死を予告した」と書かれていた。こうした声に悩まされたためか、やがて躁鬱状態を繰り返した彼は、1889年にイタリアで精神錯乱状態に陥り、そのまま11年後に没している。
ニーチェは主著「ツァラトゥストラはかく語りき」のなかで、ルサンチマンに陥ることなく、現実の生を全面的に肯定する「超人」を理想の生き方とした。そして、その模範例として、なんら意識することなく日々を生きる幼児を挙げているが、死までの11年間、狂気の中に生きたニーチェは、もしかすると超人としての理想の境地に達していたのかもしれない。その他の代表的な著作に「人間的な、あまりにも人間的な」「悦ばしき知識」などがある。多くの哲学者・思想家がニーチェの影響を受けていることは言うまでもないが、特にユンガー、ハイデガー、フーコー、バタイユ、ドゥルーズ、デリダなどは絶大な影響を受けているといわれる。

【ニーチェを理解するキーワード】
ニヒリズム:人々が最高だと思うもの(キリスト教的道徳精神)は無価値であると否定。
永劫回帰:価値が存在しないため、世界は現在と同じ未来を、無意味に何度も繰り返す。超人:永劫回帰の無意味な人生でも、自ら確立した意思で行動する超人を理想とする。

【ニーチェが影響を受けた人物】
影響を受けた人物:ショーペン・ハウエル(1788~1860)
厭世(ペシミズム)哲学を展開したドイツの観念論学者。ライプツィヒ大学で「文献学研究会」というサークルをつくっていたころのニーチェは、下宿先の古本屋でたまたま、ショーペンハウエルの主著「意思と表象としての世界」を読んで感激した。

友人:リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)
ドイツの作曲家。生涯を通じて音楽に強い関心をもっていたニーチェは学生時代から熱烈なワーグナーのファンであり、面識を得てからはワーグナーの邸宅を何度も訪れた。(ワーグナーはニーチェの31歳も年上)秩序の象徴である太陽神アポロンと、秩序を破って生の高揚感を表現する豊穣伸ディオニソスの対立と結合が、ギリシア悲劇を誕生させたと考えた。そして、それを現代によみがえらせたのがワーグナーだと賞賛したが、後年、各国の国王や貴族に囲まれて得意になり、芸術によって市民社会を救済するのではなくブルジョア社会に染まった卑属なワーグナーに失望し決別することになる。

※初回投稿日:2017年9月2日

名前:フリードリヒ・ニーチェ
Name:Friedrich Nietzsche
生まれ:ドイツ帝国 ヴァイマル
生年月日:1844年10月15日
職業:哲学者

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フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche)の名言・格言・言葉 一覧

He who fights with monsters might take care lest he thereby become a monster. And if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you.怪物と闘うときは、自らも怪物にならぬよう、気をつけなさい。深淵を覗きこむときは、深淵からもあなたは覗かれている。- ニーチェの本 「善悪の彼岸」よりFriedrich NietzscheHe who fights with monsters might take care lest he thereby become a monster. And if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you.
怪物と闘うときは、自らも怪物にならぬよう、気をつけなさい。深淵を覗きこむときは、深淵からもあなたは覗かれている。- ニーチェの本 「善悪の彼岸」より

 

What does not destroy me, makes me stronger.私を滅ぼすに至らないすべてのことが、私を強くするのだ。Friedrich NietzscheWhat does not destroy me, makes me stronger.
私を滅ぼすに至らないすべてのことが、私を強くするのだ。

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